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僕はKEN建築工房を始める前から、大工をしていました。
なので今でも現場に行くと、つい細かいところが気になります。
お客様からすると、
「そこまで見るんですか?」
と思われるようなところかもしれません。
でも僕にとっては、その積み重ねが家だと思っています。
完成した家を見ると、まず目に入るのは間取りや素材、家具、照明、窓から見える景色です。
もちろん、そこもすごく大事です。
ただ、大工をしていた時の感覚がなくなることはありません。
きれいに仕上がっているほど、その奥がどうなっているかが気になるんです

完成写真には写らないところ
住宅会社のInstagramやホームページを見ると、完成したきれいな写真がたくさん出てきます。
KENも完成した家の写真は載せますし、デザインももちろん大切です。
ただ、家には完成すると見えなくなるところがたくさんあります。
断熱材。
気密。
防水。
下地。
構造。
配管。
こういう部分です。
例えば断熱材ひとつでも、性能の良い商品を使えば終わりではありません。
隙間なく施工されているか。
配線や金物の周りはどうなっているか。
端部はきちんと納まっているか。
現場で確認しないと分からないことがあります。
防水もそうです。
雨が入らないようにする処理は、完成すればほとんど見えません。
でも、もしそこで手を抜けば、あとで大きな問題になります。
下地も同じです。
棚を付けたい場所、手すりを付ける可能性がある場所、家具が当たるところ。
仕上げ材を貼ってしまえば見えませんが、使い勝手や将来のメンテナンスに関わります。
僕は元大工なので、どうしてもそこが気になります。
見えなくなるところだからこそ、手を抜きたくない。
これは昔から変わりません。。
良い材料を使えば良い家になるわけではない
住宅業界では、いろいろな高性能な材料があります。
断熱材、サッシ、構造材、外壁材。
良い商品はたくさんあります。
ただ、僕は商品名だけで家の良し悪しは決まらないと思っています。
同じ材料を使っても、どう施工するかで結果は変わります。
図面でどう納めるかを考え、それを現場で職人と共有して、きちんと施工する。
そこまでやって初めて材料の性能が活きます。
逆に、すごく高価な材料を使わなくても、使い方や納まりをちゃんと考えれば良くなる部分もあります。
だからKENでは「何を使っている会社か」だけではなく、「どう考えて、どうつくっているか」を大事にしています。
完成写真だけでは伝わりにくいところです。
でも、長く住んでもらう家だからこそ、本当はここを一番伝えたいと思っています。
でも、丈夫につくればそれでいいわけでもない
大工をしていた頃は、まずしっかりつくることを考えていました。
水平、垂直、構造、納まり。
きれいにつくる。
丈夫につくる。
それが仕事でした。
でも設計をするようになってから、家はそれだけでは足りないと感じるようになりました。
朝起きたときにどこから光が入るのか。
キッチンに立ったとき何が見えるのか。
庭との距離をどうするのか。
家族が自然と集まる場所はどこか。
外から帰ってきた時に、どんな景色が見えるのか。
こういうことも、同じくらい大切です。
しっかりつくった家でも、暮らしに合っていなければ使いにくい。
逆に、すごく格好いい家でも、現場の施工に無理があれば長く安心して住めない。
だから僕は、設計と施工を別々に考えたくありません。
性能も暮らしのためにある
性能についても同じです。
僕らは断熱、気密、耐震をきちんと考えます。
でも、それを前面に出して「この数字だから良い家です」とはあまり言いたくありません。
性能は、気持ちよく暮らすための土台だと思っているからです。
冬に寒くない。
夏に暑すぎない。
大きな地震に備える。
光熱費を抑えやすくする。
こういうことは大切です。
でも、断熱等級や数値を見るために家に帰るわけではありません。
家族とご飯を食べたり、休日にゆっくりしたり、子どもが走り回ったりする場所です。
だから性能を確保した上で、どういう空間にするかを考えたい。
日射取得や日射遮蔽も、窓の位置も、間取りも、全部暮らしにつながっています。
設計と現場を分けたくない
図面を描いていると、
「ここはこうした方がきれいやな」
と思うことがあります。
その時に大工だった自分が、
「でもこれ、現場は大変やな」
と言ってきます(笑)。
逆に現場に行くと、
「図面ではこうやけど、実際はこっちの方が良いな」
ということもあります。
僕はこの行ったり来たりが大事だと思っています。
設計側が図面を描いて終わりでもない。
現場が図面通りにつくって終わりでもない。
実際につくりながら気づくことを設計に戻す。
設計で考えた意図を現場で共有する。
その繰り返しです。
KEN建築工房は、この距離感を大事にしたいと思っています。
家は現場で完成するものだからです。
手を抜かない、妥協しない、の意味
KEN建築工房では「手を抜かない」「妥協しない」ということを大切にしています。
これも、何でも高級にするとか、お客様の要望を全部叶えるという意味ではありません。
予算の中で削るところはあります。
できないことは、できないと言います。
施工上おすすめできないものなら、その理由も説明します。
お客様の希望でも、将来的に問題が出そうなら、僕は一度止めます。
逆に、見えなくなる部分でも必要なところには手をかけます。
僕が考える「妥協しない」は、全部にお金をかけることではなく、家として大事なところをごまかさないことです。
完成した瞬間だけではなく、10年後、20年後にも考える
家は完成した時が一番きれいです。
でも、僕らがつくっているのは写真を撮るための建物ではありません。
そこから何十年も暮らしていく家です。
素材がどう変化するか。
修理が必要になった時に直せるか。
設備を交換できるか。
家族構成が変わっても使えるか。
そういうところも考えておきたい。
もちろん、20年後のことを全部予想することはできません。
でも「今きれいだから」だけで決めないことはできます。
設計だけでもない。
現場だけでもない。
性能だけでもない。
デザインだけでもない。
全部をつなげて考えて、そのご家族にとってちょうどいいところを探していく。
KEN建築工房の家づくりは、たぶんそういう家づくりです。
少し時間も手間もかかります。
でも僕は、そのやり方をこれからも続けたいと思っています。
KEN建築工房に家づくりを相談する
「まだ具体的な計画はないけれど、KENの考え方が少し合いそう」と感じてもらえたら、その段階で大丈夫です。土地、予算、新築かリノベかも含めて、何から考えればいいかを一緒に整理します。
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