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最近、中古住宅を買ってリノベーションしたいという相談が増えています。
僕自身、中古住宅を活かすという選択はすごく良いと思っています。
新築では出せない雰囲気が残っていたり、立地の良い場所に住めたり。今あるものを活かして暮らしをつくり直すのも、家づくりの一つです。
ただ、中古住宅については一つだけ。
できれば「買ってから」ではなく、「買う前」に相談してほしいと思っています。
これはリノベーションの仕事を取りたいからではありません。
買ったあとに「思っていた改修ができない」「予算が大きく変わった」となると、お客様の選択肢が一気に狭くなるからです。

写真では分からないことが結構あります
物件情報を見ると、間取りや築年数、価格は分かります。
内装がきれいなら「ここを少し変えれば住めそう」と思うかもしれません。
でも僕らが現地を見ると、もう少し違うところを見ています。
床の傾きはどうか。
雨漏りした形跡はないか。
構造上、取れる壁なのか。
断熱はどの程度なのか。
水回りを移動できるのか。
床下や天井裏はどうなっているのか。
外壁や屋根は、近いうちに手を入れる必要がないか。
元大工なので、僕はどうしてもそういうところを見てしまいます。
築年数が古いから悪いということでもありません。
古くても、きちんと手入れされていて構造がしっかりしている家もあります。
逆に、比較的新しく見えても、雨仕舞や劣化の状態を見た方がいい家もあります。
中古住宅は、一軒ずつ状態が違います。
そこが新築との大きな違いです。
そして中古住宅は、解体して初めて分かることもあります。
壁をめくったら想定していなかった劣化があった。
床下を開けて初めて分かった。
こういうことは正直あります。
なので、購入前に見ればすべて分かるとは言いません。
分からないことは分からない。
ただ、事前に確認できる範囲を増やしておくことはできます。
「この壁を取りたい」が簡単ではないこともある
リノベーションの相談でよくあるのが、
「この壁を取ってLDKを広くしたい」
という話です。
もちろんできる場合もあります。
ただ、構造上大切な壁だったり、柱や梁の関係で簡単には取れないこともあります。
木造住宅なら、耐力壁や柱、梁の位置を見ながら考える必要があります。
マンションなら、構造体だけではなく、共用部分、窓、配管、管理規約などの制約もあります。
だから間取り図だけを見て「できます」とは言えません。
でも、できないから終わりでもありません。
壁を全部取らなくても抜け感をつくる方法があったり、柱を残すことで逆に空間の特徴にできたりします。
僕はリノベーションの面白さは、ここにあると思っています。
新築のようにゼロから全部決めるのではなく、今あるものと会話しながら考える。
全部壊して新品にするのではなく、使えるものや、その家らしい部分を残す。
昔の梁、建具、庭、素材。
それを活かした方が、その家にしかない空気が残ることもあります。
どこまで直すかで、予算はかなり変わる
リノベーションで一番難しいのは、やろうと思えば工事範囲がどんどん広がることです。
キッチンだけ変える。
内装も変える。
断熱もやりたい。
耐震も見たい。
外壁や屋根も気になる。
水回りの配管も古い。
こうなると、工事費は当然大きくなります。
だから僕は、最初に「何を全部新しくするか」ではなく、「この家でこれからどう暮らしたいか」を聞くようにしています。
これから20年、30年住むのか。
数年後に家族構成が変わるのか。
どこまで性能を上げたいのか。
今の家のどこが嫌で、どこは気に入っているのか。
そこを整理してから、構造、断熱、水回り、内装に予算を振り分けます。
全部を新築同等にしようとすると、それなりの金額になります。
逆に、優先順位を決めれば、残せる部分を活かしながら予算を調整することもできます。
新築より安いとは限らない
中古住宅を検討している方から、
「中古+リノベの方が新築より安いですよね?」
と聞かれることがあります。
これも、必ずそうとは言えません。
物件価格が安くても、大規模な耐震改修、断熱改修、屋根や外壁、水回りまで全部手を入れると、新築に近い金額になることもあります。
逆に、建物の状態が良く、残せる部分が多ければ、立地の良い場所で予算を抑えて暮らしをつくれる場合もあります。
だから、価格だけで新築とリノベを比べない方がいいと思っています。
立地。
建物の状態。
間取りの自由度。
性能。
将来のメンテナンス。
そして総予算。
このあたりを並べて考えた方が、判断しやすいです。
新築かリノベか、最初から決めなくてもいい
僕は、新築とリノベーションを最初からどちらかに決める必要はないと思っています。
相談に来ていただいた結果、「この物件ならリノベが合いそうですね」となることもあります。
逆に、「ここまで工事するなら、新築も一度比較しましょう」となることもあります。
どちらかを売ることが目的ではなく、そのご家族にとって一番納得できる選択を一緒に探す。
KEN建築工房は、その立ち位置でいたいと思っています。
気になっている中古住宅があれば、不動産サイトのURLだけでも構いません。
「この家を買って大丈夫そうですか?」
「この間取りは変えられそうですか?」
「リノベ費用はどのくらい見ておけばいいですか?」
そのくらいの段階からで大丈夫です。
買ってしまう前の方が、僕らもいろいろな選択肢を話せます。
中古住宅を買う前に相談する
まだ購入を決めていなくても大丈夫です。物件資料やURLを見ながら、建物側から確認したいこと、できそうなこと、予算として見ておきたいことを一緒に整理します。購入前だからこそできる相談があります。
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